タイトル もっと優しい旅への勉強会
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2005年3月定例会
「旅行の阻害要因アンケート」中間報告

発表:もっと優しい旅への勉強会 学び隊有志
会場:クラブツーリズム(株)

プログラム委員中子富貴子さんから始めの挨拶

学び隊では、今年8月に開催予定の「福祉の町づくり学会」で『旅行の阻害要因』について発表したいと考え、「もっと優しい旅への勉強会」会員170名にアンケートをお願いし、32名からの回答を基にして中間報告と皆さまのご意見を頂戴する意見交換会としたいと考え、今回の定例会で取り上げてもらいました。
本日の発表は曽根原さん、井上さん、草薙さんの3名です。黒嵜弁護士が発表する予定でしたが、急な仕事が入り、草薙さんが報告されます。前半はアンケートの報告、意見、感想を、後半は今日ご参加の皆さんからのご意見含め、阻害が起こる原因について意見交換会とします。今後まとめをするにあたりヒントをいただければ幸いです。

草薙威一郎さんの報告(アンケート中間報告にそってのコメント)
 曽根原さんは学び隊の隊長には全体を見てもらい、草薙さんは代役でお話、井上さんはには今回の調査についての助っ人として参加してアドバイスをいただいております。

学び隊は勉強会の分科会として10年前から活動しており、これまでアメリカ合衆国のADA法を一条づつ呼んだり、『ADAに表れた旅行の課題』、『歴史的文化財とバリアフリー』を福祉の町づくり学会で発表し、昨年はTRANSED(トランセッド、高齢者・障害者の移動に関する国際会議)で『歴史的文化財とバリアフリー』を発表しました。

学び隊の定例会ではあるテーマを講師の方に話してもらい、学び隊では自分達が興味あるテーマを深めようとして活動しているグループです。自由参加です。
アンケート概要
調査で解明したいこと
阻害要因と考えられるもの
アンケートが戻る前に答えを考えてみた阻害要因と考えられるもの〔学び隊有志の考案〕

●当事者側(旅行に出かける本人に原因があるもの)・・・(出かけたことの無い)恐怖心、世間の偏見、世間の誤解、自己防衛心、気兼ねがある、過去の経験が阻害する(いやなことがあって、もう行きたくない)、アレルギーや慢性疾患がある、天候・気候の変化、災害のとき心配である、情報が無い、法律が無い、相談する窓口が無い、旅行費用が高い(お金が無い)、費用の補助制度が無い、人的サービスを提供する仕組みがない(例:ヘルパー制度)、暇がない、行っても楽しいことが無い、

(一般的な調査で挙げられる阻害要因・・・・複数回答、日本観光協会調査)
@時間的余裕がない(44%) A経済的余裕がない(30%) B何となく旅行しないままに過ぎた(20%) C家を離れられない事情がある(17%) D健康上の理由(16%) E計画・準備するのが面倒(5%)、一緒に行く人がいない(5%)、行きたいと思うところがない(5%) F旅行はきらい(4%)

●中間組織(旅行会社、観光案内所、行政機関、情報などに原因がある)・・・無知・偏見、情報が無い、需要が無い、売れない、売るものがない、手間がかかるので受けたくない、どうしてよいかわからないから受けたくない、もうからないのでやる気が無い、前にクレームがあったので受けたくない、理不尽な要求があったので受けたくない、一生懸命やったのに当然と思われたので報われない

●受け入れ側(主に観光地、受け入れサイドに原因があるもの)・・無知、日本文化が合わない(和式建築のため車いすに対応できない)、受け入れる仕組みが無い、ハード面が整っていない、ハード面を整える資金が無い、法律があればせざるをえないが今はない、整備する基準がわからない、説明・案内できる人がいない、介助する人がいない、手間がかかるので受けたくない、過去にクレームがあるので受けたくない、万全でないので怖い、どうしてよいかわからないので断りたい、自分もわからないし教育もしていない、何をして良いかわからない、できれば考えたくない、もうからない、来なくても良いと思っている、断っても法律には反しない、他のお客様からクレームが出るのが怖い、以前に一生懸命やったのに報われなかったので受けたくない

【アンケート設問】

Q1:障害の有無と旅行する際の不便さの内容、障害のある人との関わり
Q2:旅行の頻度、目的、障害のある人と関わる旅
Q3−1:旅行目的地、日程決定の際に心配なこと
Q3−2:上記の心配を解消する手段、方法
Q4−1:旅行の交通手段、移動手段に関する問題点、解消手段
Q4−2:宿泊施設に関する問題点、解消手段
Q4−3:観光地、観光施設に関する問題点、解消手段
Q4−4:旅行費用に関する問題点、解消手段
Q5:バリアフリー旅行を促進するために必要なこと

〔草薙さん話〕 アンケートは全て記述式を取りました。選択式ではありません。これは答える側からすると答えるためには負担の大きいアンケートになりました。

優しい旅アンケート報告書

【web掲載に際してのお断り】
当日レジュメ、会報には記載された回答のうち、web化に際して一部割愛しています。

回答者数 32
性別(名前から判断): 女性 12  男性  20

Q1.障害の有無と旅行についてあなたが旅行をする際、ご自身の障害などを理由に不便を
感じることはありますか?
ある     11名     34%
ない     21名     66%

【不便の内容や障害の内容】

「ある」とお答えの方・・・さしつかえなければその不便の内容や障害の内容をお聞かせ下さい。
(500字以内)(例)車いす利用のため、高齢なので、疾患により食事制限がある等

「なし」とお答えの方・・・あなたの障害をもつ人との関わりをお答え下さい。(500字以内)
(例)家族、福祉関係職、ボランティア、旅行関係業務従事、もっとやさしい旅への勉強会会員等

〔草薙さんコメント〕様々な障害をお持ちの方がおられ、複数の障害をお持ちの方もいらっしゃいます。障害の有無が旅行に不便を感じるか否かを分析する際に、符合するかを精査しなければいけないと井上さんからご指摘がありました。


Q2. 旅行頻度、目的、関わりについて。 あなたはどのくらいの「頻度」で旅行に行きますか。
また、その「目的」は何ですか(具体的にご記入下さい)。

〔草薙さんコメント〕 これも年に何回などの答え方ではない方法をとりました
国内旅行を答えたり海外旅行を答えたりしています。勉強会の皆さんがどの様な旅行をされているかを窺うことができます。この時点では障害のある人、ない人といった分け方はまだしていません。

障害のある人はご自身の旅行について、障害のない人は障害のある人と関わる旅についてお応え下さい。


次のQ3-1は回答が長く、整理が困難でありましたが、曽根原さんが一丁頑張ってみるということで、キーワードをピックアップして回答者番号で表示してみました。設備の内のトイレルーム、エレベーター、交通手段、お風呂、食堂を別途ピックアップした数字です。

Q3-1 あなたが旅行の目的地及び旅行日程を決定する際に「心配」なことは何ですか 
 
この設問に関しては、設備、特にトイレという回答が多くなることを予想した。アンケートの結果にもそのことは示されている。阻害要因として残念ながら大きな意味を持っている。受け入れ態勢の不備が阻害要因になるという回答も多かった。ソフト面での対応も重要である。

〔草薙さんコメント〕 私は数値化できないかとかなり強引ですがトライしてみました。記載番号の合計は50個あり、回答者が32名ですから、複数回答ということになります。設備面で19名という事は19÷32=59%ということになる。約60%の人が設備面で問題があるという出し方がでるが、それがよいかどうかについては井上さんに相談する予定です。


Q3-2 上記(1)の「心配」を解消するためにどのような手段を用いますか。

これについては設備に関する情報の事前確認という回答が多くなることを予想した。確認の流れとしてはインターネットで情報を入手し、細かな部分を電話で確認という流れであろうか。実地調査(下見)という回答がなかったことは意外であった。バリアフリー施設の利用ということでは、設備が事前に確認されていなくても、利用できるような場所も増えているのかもしれない。サービス提供者の回答として、障害の状況を把握した上で対応しているという回答もあった。


Q4-1旅行目的地までの交通手段、目的地での移動手段についてどのような問題がありますか

設備が不備という回答が多いことを予想した。回答でもそうなっていたが、それに加えて、一人であれば対応できる設備はあるが、団体には対応が困難という回答があった。列車や飛行機に乗るまで、および降りてからの移動の方が困難という回答があった。回答では航空会社の取り組みは評価されていた。また、どうしても待ち時間が多くなるという回答もあった。(Q4−1から4−4の対応方法についての回答は、個別回答として、仕分け・分析を行いませんでした)

【問 題】

解決方法


Q4-2 宿泊施設についてどのような問題がありますか。

  これについても、設備の面の問題が多くなると予想しました。回答では、バリアフリー対応と表示されて
いても、細かな部分に不備があったり、個別の障害の状況に対応していないことが多いことが指摘されて
いました。和風旅館の使いにくさも指摘されていました。

【問題】

【解決方法】

〔草薙さんコメント〕問題点については32名中31、97%の方が何らかの問題があると言っております。答えを言った人は12名、38%です。これは交通機関とは明らかに違った傾向があると言えます。これについては後ほど井上さんにコメントをいただきたいと思います。
宿泊施設はかなり問題があるということです。


Q4-3 観光地、観光施設についてどのような問題がありますか

これについては、どちらかといえば受け入れ態勢の問題の指摘が多くなると予想しましたが、ここでもやはり設備に関する指摘が多数を占めました。車椅子の特別なルートがある場合であっても、通常見られるのが見られないという指摘もありました。また設備があっても、係員が不慣れであったり、使われ方に問題があるという指摘もありました。

【問題】

【解決方法】

〔草薙さんコメント〕なんらかの問題があると答えた方は21名、66%、3名の内2名はあると答えていると言うことです。何らかの解決方法を言った方は9名、28%です。


Q4-4 旅行費用についてどのような問題がありますか。

これについては障害者の旅行には費用が余計にかかるという回答が多いと予想しました。回答では、バリアフリー型旅行商品の価格が割高、介助者費用の負担、格安旅行への参加が困難などの理由があげられていました。収入が少ないことも問題としてあげられています

【問題】

【解決方法】

〔草薙さんコメント〕 問題があると答えた方は14名、44%、バリアフリー旅行は高いということはあきらかです。解決方法はなかなか難しいですが10名が答えており、31%となります。


Q5.バリアフリー旅行の促進について バリアフリー旅行を促進するために何が必要であると考えますか。

〔草薙さんコメント〕 この後、井上さんからのコメント、今日ご出席の皆さんからのご意見
をいただきたいと思っております。その前に私のコメントを三つお話しします。
@今回のアンケートを勉強会会員に絞った理由をお話しします。この勉強会には当事者と中間組織と、受け入れ側の三者が組み合わさって入っています。旅行関係者の縮図になっていると考えます。
A今回のアンケートが記述式にした意味についてです。欠点としては割合、パーセンテージが取り難いことがあります。キーワードによって集計することである程度のフォロ―はできるかと考えます。
B記述式は想起を要求することがありますので、誘導が少ないということで、ヒントがありませんのでより実態を正確に表していると考えます。また選択式では出てこない多様な回答、意見がでるのではないかと思います。
アンケート結果に対するコメントですが、これから検討する事柄と考えております。

井上さんのアンケートについてのコメント
私は現在茨城県流通経済大学、大学院博士課程で専攻は社会学という視点から観光の研究をしております。金儲けの観光ではなく、観光という現象が世の中にどのように影響しているのかを研究しています。その中でバリアフリーの旅行、障害を持った方、高齢者の方の旅行について研究所しています。特にそれらの方々が旅行をする意味について研究しています。それらのことから学び隊に参加させてもらっています。

まずアンケート回答から何をしなければならないかを話します。
ひとつは、我われは何のためにこの様な研究をしているのかと言うことを考える上で、一番大事なことが一番後半に出てくる、阻害は何故起こるのかと言うことです。当初会員以外にもアンケートをという考えもありましたが、勉強会会員に限定したことは正しいと考え、率直な意見をフリーアンサーで書いてもらえることから会員の方のみにお願いをしました。
 このようなフリーアンサーのデータをどのように分析したらよいのか、ひとつはキーワードで、ひとつひとつの回答の中からキーワードになる単語が出てくるのではないか、それで分析をしていったらいいかなと考えています。

 現在のデータは単純集計と言いますが、答えた方の特性データ、男性女性、障害の有無、障害の不便を感じることの有無、が最初に出ています。質問1番で答えている人が質問2番ではどう答えているのかという分析も、クロス集計といいますが、次の段階かと思います。第一段階では会員の方の事実を集計することが大事なことになります。その後クロス集計をすることで、女性の方はどう答えているとか、障害を持っている方はこの様な傾向があると見えてくると思われます。
 これから様々な分析をして行く上で皆さんのご意見をいただけると非常に参考になることと思いますので宜しくお願いいたします。
出席者による集計結果についての意見(抜粋)

以上ですが、学び隊の今後の発表を期待します。ありがとうございました。


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