2005年3月定例会
「旅行の阻害要因アンケート」中間報告
発表:もっと優しい旅への勉強会 学び隊有志
会場:クラブツーリズム(株)
プログラム委員中子富貴子さんから始めの挨拶
学び隊では、今年8月に開催予定の「福祉の町づくり学会」で『旅行の阻害要因』について発表したいと考え、「もっと優しい旅への勉強会」会員170名にアンケートをお願いし、32名からの回答を基にして中間報告と皆さまのご意見を頂戴する意見交換会としたいと考え、今回の定例会で取り上げてもらいました。
本日の発表は曽根原さん、井上さん、草薙さんの3名です。黒嵜弁護士が発表する予定でしたが、急な仕事が入り、草薙さんが報告されます。前半はアンケートの報告、意見、感想を、後半は今日ご参加の皆さんからのご意見含め、阻害が起こる原因について意見交換会とします。今後まとめをするにあたりヒントをいただければ幸いです。
草薙威一郎さんの報告(アンケート中間報告にそってのコメント)
曽根原さんは学び隊の隊長には全体を見てもらい、草薙さんは代役でお話、井上さんはには今回の調査についての助っ人として参加してアドバイスをいただいております。
学び隊は勉強会の分科会として10年前から活動しており、これまでアメリカ合衆国のADA法を一条づつ呼んだり、『ADAに表れた旅行の課題』、『歴史的文化財とバリアフリー』を福祉の町づくり学会で発表し、昨年はTRANSED(トランセッド、高齢者・障害者の移動に関する国際会議)で『歴史的文化財とバリアフリー』を発表しました。
学び隊の定例会ではあるテーマを講師の方に話してもらい、学び隊では自分達が興味あるテーマを深めようとして活動しているグループです。自由参加です。
アンケート概要
- アンケート目的:旅行に行きたいにも関わらず、行くことを阻んでいる要因(阻害要因)を解明すること
- アンケート方法:郵送法およびネットアンケート法併用
- 実施時期:2005年1月〜2月
- アンケート対象:「もっと優しいたびへの勉強会」会員(170名)
- 回答数:32名
調査で解明したいこと
- 阻害要因は、
- 当事者側に起因するもの
- 受け入れ側に起因するもの
- その間にあるもの(中間組織―旅行会社、観光案内所、行政、情報など)
- その他に分けられるが、それらはどんなことなのか?
- 阻害要因には、いわゆる「ハード面」と「ソフト面」があるといわれる。
そのハード・ソフトの内容は何なのか?何の影響が強いのか?
- 旅行への阻害はなぜ起こるのか?それは、どのようにしたら解決できるのか?
阻害要因と考えられるもの
アンケートが戻る前に答えを考えてみた阻害要因と考えられるもの〔学び隊有志の考案〕
●当事者側(旅行に出かける本人に原因があるもの)・・・(出かけたことの無い)恐怖心、世間の偏見、世間の誤解、自己防衛心、気兼ねがある、過去の経験が阻害する(いやなことがあって、もう行きたくない)、アレルギーや慢性疾患がある、天候・気候の変化、災害のとき心配である、情報が無い、法律が無い、相談する窓口が無い、旅行費用が高い(お金が無い)、費用の補助制度が無い、人的サービスを提供する仕組みがない(例:ヘルパー制度)、暇がない、行っても楽しいことが無い、
(一般的な調査で挙げられる阻害要因・・・・複数回答、日本観光協会調査)
@時間的余裕がない(44%) A経済的余裕がない(30%) B何となく旅行しないままに過ぎた(20%) C家を離れられない事情がある(17%) D健康上の理由(16%) E計画・準備するのが面倒(5%)、一緒に行く人がいない(5%)、行きたいと思うところがない(5%) F旅行はきらい(4%)
●中間組織(旅行会社、観光案内所、行政機関、情報などに原因がある)・・・無知・偏見、情報が無い、需要が無い、売れない、売るものがない、手間がかかるので受けたくない、どうしてよいかわからないから受けたくない、もうからないのでやる気が無い、前にクレームがあったので受けたくない、理不尽な要求があったので受けたくない、一生懸命やったのに当然と思われたので報われない
●受け入れ側(主に観光地、受け入れサイドに原因があるもの)・・無知、日本文化が合わない(和式建築のため車いすに対応できない)、受け入れる仕組みが無い、ハード面が整っていない、ハード面を整える資金が無い、法律があればせざるをえないが今はない、整備する基準がわからない、説明・案内できる人がいない、介助する人がいない、手間がかかるので受けたくない、過去にクレームがあるので受けたくない、万全でないので怖い、どうしてよいかわからないので断りたい、自分もわからないし教育もしていない、何をして良いかわからない、できれば考えたくない、もうからない、来なくても良いと思っている、断っても法律には反しない、他のお客様からクレームが出るのが怖い、以前に一生懸命やったのに報われなかったので受けたくない
【アンケート設問】
Q1:障害の有無と旅行する際の不便さの内容、障害のある人との関わり
Q2:旅行の頻度、目的、障害のある人と関わる旅
Q3−1:旅行目的地、日程決定の際に心配なこと
Q3−2:上記の心配を解消する手段、方法
Q4−1:旅行の交通手段、移動手段に関する問題点、解消手段
Q4−2:宿泊施設に関する問題点、解消手段
Q4−3:観光地、観光施設に関する問題点、解消手段
Q4−4:旅行費用に関する問題点、解消手段
Q5:バリアフリー旅行を促進するために必要なこと
優しい旅アンケート報告書
回答者数 32
性別(名前から判断): 女性 12 男性 20
Q1.障害の有無と旅行についてあなたが旅行をする際、ご自身の障害などを理由に不便を
感じることはありますか?
ある 11名 34%
ない 21名 66%
【不便の内容や障害の内容】
「ある」とお答えの方・・・さしつかえなければその不便の内容や障害の内容をお聞かせ下さい。
(500字以内)(例)車いす利用のため、高齢なので、疾患により食事制限がある等
- 車いす利用のため、はしがつかえないのでスプーンかホークが必要。
- 弱視なので現地で地図が見えない。 料金が見えない。視覚にかかわることすべて。
- 車イスと同行する事が多いので、車イスでの行動が容易化、可能かが問題になる。
- 肢体障害(脳出血・2級)です。杖を使用しております。
- 車いす利用のためトイレのめどをつけておかなければならない。段差やエレベーターの有無についても事前調査が必要。
- 脳性マヒによる歩行障害、言語障害。
- 脳性麻痺による、四肢・言語障害。二次障害に於いて変形股関節症。車椅子&松葉杖使用の為、集合場所までの交通網の未発達。
- 私の障害は視覚障害(弱視)、単独歩行は可能ですが、読み書きに苦労します。広い場所や駅、空港などで案内図や看板が見難い。そのため、出入り口やトイレなどを見て探すことは時間がかかります。
- 聴覚障害なのでさまざまな場面で文字情報が不足している。呼吸障害で酸素ボンベの携帯が必要。睡眠時には酸素濃縮機が必要。連続歩行距離が限られているし速度も遅い。息苦しく、かつボンベは重いので、階段利用が困難。宿には事前の手配により酸素濃縮機の設置を依頼せねばならない。まだ未経験だが、飛行機利用時に酸素携帯は面倒とのこと。
- 内容:手すりのない階段・手すりがあっても握りにくい階段・長い階段・勾配の急な坂道・砂利道・使えなくはないけど和式トイレetc 障害名(CP)
- セキツイ損傷に両下肢マヒ 常時車イス使用
「なし」とお答えの方・・・あなたの障害をもつ人との関わりをお答え下さい。(500字以内)
(例)家族、福祉関係職、ボランティア、旅行関係業務従事、もっとやさしい旅への勉強会会員等
- ボランティアで車いすの人と旅行等の行動を共にすることがある。(もっとやさしい旅への勉強会会員)
- ○トラベル所長、NPO法人副理事、専門学校講師
- ボランティア
- 障害を持ってないですが、知的障害者(20代、女性)の外出の移動介護の仕事(ボランティアも含めて)をしたのはもう二年にたちました。大学の二年生(もっとやさしい旅への勉強会)
- 福祉関係職 もっとやさしい旅への勉強会会員
- 旅行商品の受付で、お体の不自由なお客様のお手伝いを担当しております。旅行関係。(もっと優しい旅への勉強会会員)
- 福祉施設運営している法人事務局に勤務。施設利用者の権利擁護や苦情解決を推進する立場
- 最近のことですが歩行困難にあい車椅子を借りなかったことに後悔したこと
- ユニバーサルデザインのホテルを経営。(もっと優しい勉強会会員)
- ユニバーサルサービスを提供するホテルとして努力中
- もっとやさしい旅への勉強会会員
- 旅行会社、NPO法人。(勉強会会員) 顧客として重度障害者の方々、合唱団団員として障害者の方々との交流
- 家族(両親が高齢になってきた) 福祉関係職
- サービス業(リゾート)でのユニバーサルデザインの構築
- 旅行関係業務従事
- 社会福祉法人にて雇用支援事業に従事。 もと旅行会社勤務
(法人・個人旅行、添乗、商品企画:ダイビング、HOT患者向けツアー等)
- もっとやさしい旅への勉強会会員、同人誌即売会での同ジャンルの知人
- おともだち
- 旅行関係業務従事 もっと優しい旅への勉強会 全員
- 福祉関係職・勉強会会員
- 当会会員、学び隊隊員、旅行会社社員(仕事では関わりなく、個人的な関心のみ)
Q2. 旅行頻度、目的、関わりについて。 あなたはどのくらいの「頻度」で旅行に行きますか。
また、その「目的」は何ですか(具体的にご記入下さい)。
障害のある人はご自身の旅行について、障害のない人は障害のある人と関わる旅についてお応え下さい。
- (年に1〜2回)
- 会社とボランティアグループなどの関わり(毎月2回くらいずつ) 海外(年4回)
- 花火見物等(年に1〜2回)
- ホノルルマラソン参加(年に1回程度)
- 飛行機に乗ること、空港に行くこと。「旅に行くことが目的。(一年に 国内8〜10回、海外1〜2回)
- 都内のお出掛け(月に一回) 関東近辺(山梨、伊豆など)(年に2,3回くらい)
- 視覚障害者のトラベルボランティア、車イス使用の家族の介助者(年間5〜6回)
- 主に帰省、子連れ旅行(年に3回程度)
- 仕事の出張で海外へ(年に2回程度) 家族で国内旅行(年に2回程度)
- 新たなものや人との出会い、自分自身の再発現、心のリフレッシュ(障害のある人の外出や旅行の頻度はまだまだ少ない) 旅行の目的としては、精神的な部分が大きいと思う。(新たなものや人との出会い、自分自身の再発現、心のリフレッシュ)これは健常者も障害者もかわりはないのではないでしょうか
- 海外は年一度パンフを見て興味を持ったものに参加
- 体の不自由な方でも高齢者でも「誰でも安心して泊れるホテル」を目指しています
- 以前は知的障害者の人たちとスキーなどに行きますが団体旅行です
- 年に1〜2度 海外、八丈島などへの案内
- 失語症友の会に所属しており、一年に一回旅行します。会の仲間たちと4回(ハワイ2回、沖縄1回、北海道1回)(15〜25名)。1泊2日(毎年)1回。日帰り(毎年)1回#017 年に2〜4回程度。目的は仕事(通園施設勤務)で遠足やスキー教室など。個人的には小学生(車イスユーザー)とその友達と家族で温泉に行く
- 年に2〜3回での旅行頻度です。目的は大きく2つで、1つは見聞の為でもう1つは私自身の身体をリセットする為です。リセットとは休息をする事や次の行動の為の活力を得る為のものと考えて頂ければ結構です。障害のある人との個人的な旅での関りはほとんどありませんが、業務上での関りは受入れ側としてございます
- 年1〜2回。リフレッシュのため
- 年5〜8回程度 温泉、グルメ、ゴルフ、交流、視察等 家族旅行、出張、TV、ボランティア(以前の顧客や法人の契約利用者)等
- 旅行先では関わりがあるものの、これまで旅行の行程での「障害のある人と関わる旅」の経験はありません
- 年に数回。目的は遊び
- 年に数回。主に研究大会、学会への出席。障害者と関係のない研究大会への参加もあり。勉強会関係での仲間内の旅行も。目的の中に、趣味に関係する取材もあり
- 頻度は決まっていません。 アクティビティーの高い旅行が多いです。 交流やマラソンや視察です。興味のある目的や目的地により目的地・日程を決定する
- 半年に一度くらい。目的は、友人に会う・親睦を深める・リラックスする・電車に乗る・おいしいものを食べる、などなど
- 旅行の目的は、いろいろな欲求を満たすため。おいしいものを食べ、温泉に入り、そこにしかない自然や文化遺産をみるのはとてもすばらしいことです。また、飛行機に乗るのも目的です。国内旅行 平均月1回(宿泊・日帰りを含む)海外旅行 平均年1回
- 宿泊を含む旅行は年に4回程度。うち1回は学会出席。2回は山の別荘利用。1回は観光
- 年に2〜3回 楽しむため
- 1〜2年に1度くらい海外へ(主として観光・アメリカが多い) 1年に2〜3回国内旅行(観光・温泉等)
- 国内旅行は平均して月に1〜2回、海外旅行は年に1回程度。目的はほとんどが業務。私的観光旅行は年に1〜2回。障害のある人との旅行は年に3,4回。半分が休暇を利用した「ボランティア」、半分は旅行調査業務に関連した旅行
- 個人的には年1回位旅行していますが、障害のある人と関わる旅はありません
- 年1回か2回程度。この会の人とどこかに行ったりするくらいです
Q3-1 あなたが旅行の目的地及び旅行日程を決定する際に「心配」なことは何ですか
この設問に関しては、設備、特にトイレという回答が多くなることを予想した。アンケートの結果にもそのことは示されている。阻害要因として残念ながら大きな意味を持っている。受け入れ態勢の不備が阻害要因になるという回答も多かった。ソフト面での対応も重要である。
- 設 備 (32名中19名)
特に
- トイレ(5)
- ルーム(4)
- エレベーター(2)
- 交通手段(11)
- 風呂(3)
- 食堂(1)
- 費用(4)
- 混んでいること(2)
- 勤務の都合(3)
- 受け入れ体制(7)
- 介助者(1)
- 旅行期間(3)
- バリアフリー情報(4)
- 事故(2)
- 食事(2)
- 天気(2)
- 体調(1)
Q3-2 上記(1)の「心配」を解消するためにどのような手段を用いますか。
これについては設備に関する情報の事前確認という回答が多くなることを予想した。確認の流れとしてはインターネットで情報を入手し、細かな部分を電話で確認という流れであろうか。実地調査(下見)という回答がなかったことは意外であった。バリアフリー施設の利用ということでは、設備が事前に確認されていなくても、利用できるような場所も増えているのかもしれない。サービス提供者の回答として、障害の状況を把握した上で対応しているという回答もあった。
- 施設の事前確認(53%)
方法
- 目的地へ問い合わせ
- 中間機関への問い合わせ
- インターネット
- 経験者等に聞く
- ガイドブック
- 障害の事前確認
- 行動の抑制・工夫
- バリアフリー設備の利用
- 制度利用
- ガイドヘルパー
- ボランティアの利用
Q4-1旅行目的地までの交通手段、目的地での移動手段についてどのような問題がありますか
設備が不備という回答が多いことを予想した。回答でもそうなっていたが、それに加えて、一人であれば対応できる設備はあるが、団体には対応が困難という回答があった。列車や飛行機に乗るまで、および降りてからの移動の方が困難という回答があった。回答では航空会社の取り組みは評価されていた。また、どうしても待ち時間が多くなるという回答もあった。(Q4−1から4−4の対応方法についての回答は、個別回答として、仕分け・分析を行いませんでした)
【問 題】
- 乗り物に乗れない(2)
- 団体旅行に設備が対応していない(1)
- 設備が不備(6)
- 駅や空港に行くまでの移動/目的地での移動(2)
- 待ち時間(3)
- 心のバリアフリー(1)
- 人がいない−無人駅・バス停(1)
- 情報が不備(1)
解決方法
- リフト付き車両(1)
- 介助サポーターをつける(1)
- 事前調査(2)
- 人的対応(3)
- 選択肢を多く(1)
- 事前の交渉(1)
- 設備が不備であれば工夫を依頼(1)
- 教育と意識改革(1)
- 情報の交流(1)
- 法律による徹底(1)
- 自家用車の利用(1)
- システム化 030
Q4-2 宿泊施設についてどのような問題がありますか。
これについても、設備の面の問題が多くなると予想しました。回答では、バリアフリー対応と表示されて
いても、細かな部分に不備があったり、個別の障害の状況に対応していないことが多いことが指摘されて
いました。和風旅館の使いにくさも指摘されていました。
【問題】
-
- 段差
- 設備の利用
- 情報ガイドブックがない
- バリアフリー対応での設備の不備
- 部屋による設備の違い
- 細かい部分の配慮が不足
- 和風旅館
- 館内移動
- 大規模施設での位置確認
- 障害者対応の部屋のある宿泊施設が少ない
- 安価なビジネスホテルの対応の遅れ
- 障害者への理解が少ない
- バイキングの食事
- 災害時の対応
【解決方法】
- 人に頼む
- 事前に確認
- 障害者への気配り
- 経営者の意識改革
- ハートビル法の徹底
- 受け入れることが大きな負担となるという意識を改める(受け入れに大きな改修は不要)
- 障害者側の工夫
- 事前連絡
- 悪条件のところは避ける
- 基準を作り、法的に規制する
Q4-3 観光地、観光施設についてどのような問題がありますか
これについては、どちらかといえば受け入れ態勢の問題の指摘が多くなると予想しましたが、ここでもやはり設備に関する指摘が多数を占めました。車椅子の特別なルートがある場合であっても、通常見られるのが見られないという指摘もありました。また設備があっても、係員が不慣れであったり、使われ方に問題があるという指摘もありました。
【問題】
- 設 備(11)
- トイレ(6)
- 設備の配置(1)
- 設備の使われ方(3)
- 段差(2)
- スロープ(1)
- リフト(1)
- 手すりなし(1)
- 車椅子のルートへの不満(3)
- 砂利(1)
- 受け入れ環境全般(1)
- 移動(2)
- 施設に関係する料金(1)
- 視覚障害者が触れて楽しめない(1)
- 文字情報がない(1)
- 物理的に自分では行けないところ・最初から障害者を拒否しているところは、行こうとは思わない。
【解決方法】
- 観光地全体としての設備の配置を
- 詳しく説明して観光が可能かどうか判断
- 観光窓口に障害者に対応する人材を配置
- 市民レベルでの取り組み
- 人力で補う場合に事前に協力を御願い
- 幼児期からの啓蒙・教育
- 観光ボランティアとの協力
- 当事者を含む監視組織
- 地域としての整備計画の作成
Q4-4 旅行費用についてどのような問題がありますか。
これについては障害者の旅行には費用が余計にかかるという回答が多いと予想しました。回答では、バリアフリー型旅行商品の価格が割高、介助者費用の負担、格安旅行への参加が困難などの理由があげられていました。収入が少ないことも問題としてあげられています
【問題】
- バリアフリーツアーが割高(8)
- 格安のパッケージ旅行への車イスでの参加が困難(1)
- 介助者分の費用負担(1)
- 健常者より費用はかかる(1)
- 資金不足(1)
- 収入が少ない(2)
【解決方法】
- サービスを絞る(1)
- 障害者割引(2)
- 他の支出を抑える(1)
- 見積もりを提示し、多様な中からの選択(1)
- 補助金による支援(1)
- 旅行を権利として定着させる(1)
- コスト削減意識をもつ(1)
- しっかりした情報の提供(1)
- バリアフリー旅行の認知度を高める(1)
Q5.バリアフリー旅行の促進について バリアフリー旅行を促進するために何が必要であると考えますか。
- バリアフリーも必要と思いますがユニバーサルな考えも含めていただけたらと思います
- どこへ問い合わせをしたら良いのかを受けつけて情報の交通整理をするセンター設置を望む。
(お客←→センター←→旅行業者)
- きめこまやかな対応が必要。クライアントの話を良く聞いて、必要な条件をすりあわ事が必要。ハードの把握をしっかりして欲しい。よろしくお願いいたします
- スタッフの充実、サポートする側の意識の問題であろうか、一緒に同行する、立場とし対障害者に対し、勉強するべき
- だれでも情報を得られるようにすること、日ごろからの障害を持つ人に慣れてもらう事
- ハード面より、ソフト面、社会の全体から障害者への支援と理解が必要と思います
- 今のところ「啓蒙」が一番、そのために障がいのある人がどんどん出かけて受け入れ側に問題点を理解してもらう。
- まず日本の誰もが旅をたのしむ(あたり前に)環境をつくることが、最終的に障害をもつ人の旅をあたり前に思う環境に結びつくと思います。 (アンケート答えるのやや難しいですね)
- おからだに何らかの心配のあるお客様には、可能な限り旅にお出かけいただきたいと思います。恥ずかしい話ですが、旅行業者はあまり対応が上手ではありません。ですから皆様にお出かけ頂き、多くの旅行従事者に対応機会を持たせ、旅に対するご要望を投げかけていただくことで、従事者は徐々に慣れていきます。知識、考え方が浸透しておらず、ご迷惑をお掛けすることと思いますが、多く経験することでわずかずつであっても前進してゆくと確信しております。私もそれらの一人の実例です
- ひとりひとりの声をまとめる作業と、その声を街づくり、人づくりに反映させる作業、制度も活用しにくいものがあるため改善が必要である
- @バリアフリーに特化する小規模施設に対する金銭的な優遇策。 A官民一体となったバリアフリー観光地づくり。(新しい観光スタイルを創り出す為に) B交通アクセスの充実(NPOの参入等) C人材の育成(教育)(従業員、ツアーガイド、ヘルパー、ボランティア、その他観光に関わる人々)
- 何よりも心のバリアフリーが大切だと思います
- 業界全体の意識改革
もっと取組もうとする意欲、一般的な安売りツアーを排除すること そうしなければ不定期なバリアフリー旅行はどうしても高く見えてしまう
- レポートを読んでいます(参考になります)
- 人手か整備。自然の多いところに行きたいと思っても車イスでは難しいことが多い。人手があれば山でも川でも行きやすい。もしくは車イスで行けるバリアフリー整備があったら気楽かな。でも、自然を楽しむという目的からするとやはり人手があったら(屈強なな若い男の人とか)。それと障害の重い子どもが安心して行けるということでDr(ちゃんと対応の出来る)がいてくれたらいいです。また、現地で何が出来るのかの提案も必要。〔何がしたいのかと聞かれても分からないことが多い)
- 1.国民の意識改革 2.受入れ施設の柔軟性 3.旅行する側の変革 4.報道機関の知らせる事への構造改革(自分達の都合の良い知らせあるいは知る権利の主張を本来あるべき、人間の姿としての知る事への変化にすべきと考えます。)5.金銭が第一にならない仕組み〔個人〜企業)
- 介助、医療と旅行の線引き。現在はこれがあいまいな為、価格の高さにつながっている
- ◇旅行業者等が、提供するサービスや商品について明確に説明できること◇旅行者がそれらの選択肢の中から自分の責任で判断し選ぶこと◇旅行者はその判断した基準や受けたサービスに対する評価などをできるだけ旅行業者や関係者に伝えること◇旅行業者や関係者は、それらの評価を今後に活かし、さらにその成果や効果を説明すること
- 公共交通機関については、現在の日本においては自治体が運営する公営交通を除いて私企業により運営されていますが、国交省などの公的な認可を要する公的性格の強い事業とされています。その点に鑑み、事業者には障害のある人でもできるだけ人手を借りずに利用できる施設・車両の整備を進めていただきたいものです。介助に人手が掛かるから負担が増えるというのは変な話で、設備の整備によって係員の手助けなくひとりで動ける人はかなりいるはずです。(もし事故があったら責任問題になる…という恐れの気持ちが、事業者側に根強くあるように感じます)宿泊・観光施設や飲食店、旅行会社等については、公的性格の度合いが交通機関に比べて高くないこともあり、事業者にのみ負担を強いることは酷なことですので、公的補助の導入も積極的に進められるべきではないかと考えます。
- 環境整備。さらにハンディキャップを持っている人の心構え(整備されていないところでもあえて出て行かなければ環境は変わらない)。
- お互いが対等な人間同士であることを確認し、お互いに不愉快・不快なことを避ける
- 認知度の末端までの促進。行政での担当部署の相談窓口への情報の配信。(福祉課、観光課や商工会などにも)集合場所までの負担度(体調と金額)がもっとも低い方法を情報として発信するのもサービスの向上になるのでは?
最後に、私は消費者と提供者の双方の立場から意見を述べたつもりです。
- バリアフリー情報などは結構たくさんあると思うのですが、どこに問い合わせれば情報を手に入れることができるのか、旅行者には未だあまり知られていないと思います。なので、旅行業界の情報から、地域のまち情報まで、情報のわかりやすい整理、発信が必要だと思います。そのために、情報をまとめる役を担うNPOやチャリティー団などができたらいいのではないでしょうか(もしくはNTO)。それから、信頼性・アップデイトされた情報を提供するために、共通するスタンダードというか基準のようなものを作るのも必要だと思います。様々なしょうがいがある中で、基準を作るのは難しいと思いますが、ちょっとずつ改善していけばいいと思います。受け入れ側の点からは、サービス業に関わる人たちだけでなく、地域の人たちのバリアフリー旅行に対する認識が向上して、自分たちからまちをアクセシブルにしていく動きがどんどん出てきたらいいと思います。教育の面では、しょうがいを持つ旅行者に対するサービスの教育だけでなく、法律・福祉・観光・地域開発など、包括的に問題を考えるような教育(学び隊のような研究)が、バリアフリー旅行の促進に取り組む人材を育てていけるのではと思います
- 障害を持つ当事者としては、障害を持つ人、配慮を要する人ができるだけ社会に出て行くことが大切だと思います。意識をもって外出すると困難にぶつかる。それを主張する。行動あってこそ、これからが変わると思います。また、旅行業従事者もカスタマーサービスにつとめてほしいです。
- 「心のバリアフリー」というのは逃げ口上のようで好きではないのですが、やはり財政上の理由もあり、すべての階段に即座にエレベータとはいかないでしょう。昨年の旅行ではローカル線の乗換えで、駅員の方が陸橋ではなく線路を渡れるようにしてくれた経験があります。直前まで期待してなかったのですが、関係者が研修等で障害者に対する認識を持っているから逡巡せずに頼める、というようにまずなってほしいものです。* * * * *失礼ですが、少し設問が細かすぎるのではないでしょうか。同じようなことを繰り返して記入せねばならなかったような感じです。3と4を統合するとか、選択肢式にするとか、もう少しお考えになったらと思います。
- 障害者に来てもらおうとする気持ち。それが全くないところに行っても楽しくない。 その気持ちがあるところならば、ハード的に多少問題があっても人がカバーしてくれる。
暖かい気持ちがもらえれば、こちらも楽しくなれる。
- 業界全体が意識を高めていくことが必要。そのために何が出来るかを検討してゆきたい。また、法制度の確立も必要と考える。
- 「ネバーギブアップ」の精神。イギリスの漫画に「人間は1969年にすでに宇宙に行っているのに、ユニバーサルデザインの目的は2020年である。」と風していた。「人が人を救う」とあたり前の考え方。それがあれば、今なぜ出来ないか、何が欠けているか、が見えてくると思う。
- まずは身近な(例えば最寄り駅など)所からのバリアフリー
- 旅行会社の立場から:高齢者や障害のある人を「特別な人」と見ないで、手配時に「少し手間はかかる(=確認事項が他の人より多い、事前に話をすることが多くなるなど)が、普段の仕事の延長である」との認識を持つべきと思う。でないと、いつまでたっても「特別なお客様」であるから「特別な会社や部署」にゆだねるべき仕事であると旅行業界の人が感じてしまい多くの会社が取り扱わないと思う。
井上さんのアンケートについてのコメント
私は現在茨城県流通経済大学、大学院博士課程で専攻は社会学という視点から観光の研究をしております。金儲けの観光ではなく、観光という現象が世の中にどのように影響しているのかを研究しています。その中でバリアフリーの旅行、障害を持った方、高齢者の方の旅行について研究所しています。特にそれらの方々が旅行をする意味について研究しています。それらのことから学び隊に参加させてもらっています。
まずアンケート回答から何をしなければならないかを話します。
ひとつは、我われは何のためにこの様な研究をしているのかと言うことを考える上で、一番大事なことが一番後半に出てくる、阻害は何故起こるのかと言うことです。当初会員以外にもアンケートをという考えもありましたが、勉強会会員に限定したことは正しいと考え、率直な意見をフリーアンサーで書いてもらえることから会員の方のみにお願いをしました。
このようなフリーアンサーのデータをどのように分析したらよいのか、ひとつはキーワードで、ひとつひとつの回答の中からキーワードになる単語が出てくるのではないか、それで分析をしていったらいいかなと考えています。
現在のデータは単純集計と言いますが、答えた方の特性データ、男性女性、障害の有無、障害の不便を感じることの有無、が最初に出ています。質問1番で答えている人が質問2番ではどう答えているのかという分析も、クロス集計といいますが、次の段階かと思います。第一段階では会員の方の事実を集計することが大事なことになります。その後クロス集計をすることで、女性の方はどう答えているとか、障害を持っている方はこの様な傾向があると見えてくると思われます。
これから様々な分析をして行く上で皆さんのご意見をいただけると非常に参考になることと思いますので宜しくお願いいたします。
出席者による集計結果についての意見(抜粋)
- パーセンテージが出なくても今回の記述式のアンケートでよかった。最後の質問が一番大事なことだと私も思った。
- アンケートは対象者の20%を超えるか否かが重要だと聞いたことがあるが、今回は如何でしょうか。(34人で20%を超えることになり、これからまだ届く予定とのこと)
- 書き手も聞き手も主観的であるので、どのように体系化できるかが重要なことになると思う。個人の健康状態、その時の健康状況、周辺の環境条件(ハード、ソフト)、技術的な用件などが絡み合ってゆくことを、どのように読み取って行くかが今後の大切な課題だと思う。解決方法には段階があるのではないかとも思う。
- 記述式アンケートで主観が入りやすいことを注意して分析したい。
- 旅の阻害要因について、最近知的障害者の介助をして東京駅に言った時、彼女の障害者手帳を駅員に見せた時の冷たい視線も旅の阻害要因だと思った。それは中国人に対すること障害者に対する無視など複雑な視線だった。
- 視覚障害を持っています。空港や駅で表示を見なくてはならないことの方が阻害要因だとアンケートに答えながら考えた。いつも見えないので人や係員に聞いてしまってなんとなく問題ないように乗り越えてきた。アンケート回答からいろいろな阻害要因を教えてもらってとても良かった。解決手段はハンディキャップを持った人が外に出て皆さんに関わってもらい知ってもらうことが欠かせないことだと思う。
- 同じ弱視の障害を持っています。アンケートにはいろいろな角度からの回答が寄せられていると思う。会員以外の旅行好きであっても問題意識の低い団体に投げかけてもここまでの回答は来なかったと思う。旅行好きの当事者であっても阻害要因は分からなかったのではないかと思う。解決方法は大雑把に言えば余裕をもつことだと思う。出かける時に人に聞くことが多いが、最近イヤホーンを使っている人がいて、それに気付かず恥ずかしい思いをしたことがよくあった(笑)。
- 地域開発研究所、町づくりのユニバーサルデザインを中心にコンサルタントをしています。娘が四肢障害を持っている。家族で旅に出かけるが、登らなければならない建造物は阻害要因です。自然環境の中の五色沼遊歩道は手すりのない階段は伝い歩きができない。結局は娘をおんぶしたが、7kmはしんどかった。その娘が行きたいと思えば今後も連れてゆきたい。自然環境と折り合いのつく方法を今研究しています。感動とシステム化が解決方法だと思う。
- 2000年「障害者旅行に関するバリ国際会議」参加時にこの勉強会に参加した。今はイギリスのサリー大学ツーリズム・デベロップメント・プランニング修士課程で勉強中。現在は発展途上国で観光開発をどう進めるか、組織の中で人はどう動くかなどを学んでいるが、イギリスのバリアフリー状況はまだよく知りません(笑)。これから調べて行きたいと思う。卒論テーマは地域住民としての障害者と観光開発の関係を見て行きたいと考えている。
- 私はよく旅行に行く。車イスを利用しているが、あまり阻害要因とは思ったことはない。気持ちの持ちようだと思う。行ける所だけ行けばいいのではあり、出来ることを楽しむことだと思う。ある旅館で車イスでは泊まれないと言われたが主人が連れて行ってくれた。その旅館にはもう行かないと思う。気持ちの持ちようで旅行は楽しくできると思う。
- 私の母も酸素ボンベを使いながら高い山に嘔吐しながら登ったりしています。阻害要因とは何だろうと聞いた。ハードの阻害要因もあると思うのが、まずは旅をしたいと思う本人の気持ち、旅に向う気持ちが必要だと思う。行って楽しみたい気持ちがあれば、まわりを巻き込んで楽しめるのではないかと思う。
- 私の阻害要因は費用です。阻害と考えるかどうかが重要だと思った。自分で解決できないものが阻害と思った。工夫したり代替案によってその方が阻害と考えなくなるようにすることが解決方法のひとつだ思う。知識を得ることも解決方法だと思う。
- 四肢体幹麻痺の家族がおり、一緒に連れて旅行によく行くが、障害を持った方と一緒の旅行は慣れているつもりだが、下見してから息子を連れて行くがやっぱり行けなかったということがよくある。障害のある方を案内するに必要な知識のなさが私にもあって阻害要因になっていると思う。度々出掛けて行って、このような不自由さを現地の人に知ってもらって改善してもらうことがひとつの解決法ではないかなと思う。ある京都の旅館で、3度目までは会議室のイスをシャワーチェアーとして貸してくれたが、4度目にやっとシャワーチェアーが準備されたので、安心してシャワーを使えるようになった。
- 私にも重度の障害を持った子供がいる。私たちの旅行は命がけで出かける。私は息子の障害のことを知っているだけです。その他の目、耳の不自由な方、内部障害の方については分かりません。教育を受けていないからです。この教育のないことも阻害要因だと思う。現在別々に教育されているので社会に出たときに障害を持った方との触れ合い方がわからないのだと思う。ハードをすべて直すわけにはゆかないので、手っ取り早いのは人的なこととソフトだと思う。
- 先日クィールという盲導犬の映画があり、小学2年の息子は小さな頃から盲導犬とのふれあいを持っていたのでその映画を食い入るように見ていた。小さな頃から知り合っていると子供は抵抗無く打ち解けることができることを実感した。旅行会社でWEB関係の仕事をしているが、皆さんからの発信情報が沢山あると思うので是非発信したらいいと思う。
- 私は障害をお持ちの方の旅行企画、手配に携わっている。その中で一般の旅行に申し込まれてくる障害をお持ちの方にどう対応してゆくのかの相談を受け対応している。その中で私どもの会社では若い方よりも高齢の方を対象とした旅行を取り扱っており、教育も大切だと思うが、中高年の方に教育はなかなか難しい。啓蒙活動をする必要があると思う。もうひとつは情報を出すことです。バリアフリーの情報だけではなく、全ての情報を出来る限りわかりやすい情報を旅行会社が出すことができれば、現地でのトラブルは防げるのではないかと思う。
- プログラム委員をしている。アンケートに答えたのだが、先日ハワイに行って見方が変わった。もう一度アンケートに答えたい(笑)。今回の旅行は友人など初めての方と慣れているご高齢の方と一緒の旅だった。一番大変だったことはお客様への情報の伝え方だった。失敗の後はきちんと紙に書いて渡すことで間違えの無い様にした。
以上ですが、学び隊の今後の発表を期待します。ありがとうございました。